2013年12月20日金曜日

F市場、初の損失計上

F市場は、12月末の決算で、1千万ユーロの純損失を計上することになりそうだ。
5千人の組合員を持つこの組織が損失を出すのは、初めてのことである。

市場代表代行のB氏は、今年は出来事の多い年だった、と語る。
今年は、夏に市場代表のH氏が退任、売上げ高の伸び止まり、
大手輸出業者が2社続けて倒産した影響で数百万ユーロの損失、等が続いた。

しかし、損失の主な理由は、取引方法の大きな変化だ。
市場と契約している生産者は、市場の伝統的な競り取引に替わって、
直接取引きを選ぶようになってきた。この傾向は、切り花のチューリップで
特に顕著だった。チューリップは取扱量の多い品目のひとつであるだけに、
市場の痛手は大きい。

取引形態の移行は構造的だ、とB氏は言う。氏は、今後は毎年6%ずつ
クロック取引は減少していくだろう、と予測している。
反面、競り場が無くなることはない、とも断言する。
と言うのも、花の卸業者と生産者には、基準となる物差しが必要だからである。

直接取引が増えていくと、市場の利益は押し下げられていく。
よって市場は、生産者と輸出業者に提供するサービス方法を考え直す
必要に迫られている。
B氏「これは無視できない傾向で、迅速に軌道修正しなければならない。
共同組合としては異例のことだが、多くの退職者を出すことになるだろう。
12月半ばの会員総会で、会員からこの案について意見を聞くことになっている。」

来年は、200人のフルタイム正社員が解雇される予定で、職種を問わず解雇対象となる。
市場には現在4千人の社員がいるが、花の検疫業務は廃止され、B支所は閉鎖、
マネージメント業務も4分の1を見直す。市場は、これらのソーシャルプランと
支所業務の引越しに2千万ユーロの予算を計上している。

B氏によると、今回の大きな損失は、インシデントだと言う。
長期計画の「コンパス」では、組合は早い時点で黒字に転換する予想だ。
しかし、この結果を得るためには、市場は新しいサービスを何千人もの
会員に提供し、花業界にとって必要不可欠な存在にならなければならない。

市場は損失を出す一方で、多額の投資を続ける計画だ。
来年は55百万ユーロをかけてバケツ保管場所とオートメーション化の改善を
行う予定にしている。 (1125日、FD ファイナンシャル新聞)


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以上、要約です。
業界新聞ではなく経済新聞の記事なので、お金や経営に関する内容が
細かい感じ。
お花を身近に見ているとうっかり忘れてしまいますが、経済新聞に
ニュースが載ると、お花という商品がオランダの経済活動を支えて
いるんだよねぇと再認識させられます。

今日のニュースでは、オランダの景気はすこーし上向きになってきたか、と
言っていましたが、市場内は今年一杯落ち着かない雰囲気みたい。。








2013年12月7日土曜日

コネクトがクロックを超える日

F市場は、2014年のバレンタインの頃に、直取引の売上高がクロックの売上高を超えるだろう、と予測している。これは、ひとつの大きな転換期になるだろう。

ここ数年にわたり、F市場での取引は、クロック(競り)から、コネクト(予約相対)を使った直接取引に移行していく傾向が続いていた。現時点では、競りと予約相対の売り上げ規模はほぼ同じである。
コネクト管理部のマネージャーV氏は、市場は2014年のバレンタインの頃に、両部門の売上高が逆転し、大きな転換期を迎えるだろう、と話す。氏いわく、「これはひとつのブレークスルーであり、技術面で考えれば、F市場はもはや花市場では無く、ひとつの販売組織になるのだ。私たちが提供するサービスも、これに合わせて行く必要があるだろう。」

F市場は、2014年より市場のサービスを見直し、競り取引か直取引かの区別を行わないことにする。つまり、二つの部署を統合し、生産者にトータルで様々な販売の可能性をアドバイスすることが出来るようにするのである。
これにより、コネクトという名称は、今年の末を持って消えることになる。
(ブルーミストライ 11月14日)

先日の月曜日、今年のe-Trade経由の取引数が15万件を超えた。
市場によると、バイヤーも生産者もデジタル取引の利点を感じ始めており、それがデジタル取引の扱い量数に反映しているのだろう、とのこと。F市場e-Trade経由の取引は、今年に入り50%強も増加している。
コネクト利用の切り花取引を見ると、5件に1件の割合でe-Tradeを使い、デジタル処理されている。
(ブルーミストライ 11月20日)


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時々、A市場内の観光コースを歩きます。
競り場はすでにいくつか閉鎖され、使用している競り場も花が流れてこず、
ただデジタル画面を眺めているだけ。
通路下の仕分けスペースには花が沢山見えるけれど、なんとなく味気無い。
直接取引が増えている分、ここに出てくる台車の量も減るのでしょう。

これじゃあ観光客をだましてお金を取っているようなものだなぁ、と、
ついため息のひとつも出てしまう光景です。
これが時代の流れさ、と言ってしまえばそれまでなんだけれど、
競りのアナログ画面を知る世代には、ちょっと寂しい。

来年は直取引が競り取引を抜く勢いです。
競りには商品を出さない、と宣言した生産者もいますし、
この流れはもう止まらないのでしょう。

これからも、市場を「市場」と呼んでいいのでしょうか・・、ね?



       今日は霙混じりの寒い一日でした。
       あんまり寒いので、暑かった頃の写真を見て、温まろうかな。。。

2013年12月2日月曜日

10月の花き輸出額はマイナスに

9月は好調だった花き輸出額は、10月に入って前年同月比で6%落ち込んだ。プラス基調を保つことが出来なかった。
切り花は、前年同月比5%のマイナス。鉢物・ガーデン用でも6%のマイナスとなった。10月までの累計では、前年比4%のマイナスとなった。
花き輸出業者は、この減少傾向は今年中には改善しないだろう、と予測している。強い成長市場が無いこと、南ヨーロッパ諸国のマーケットが縮小していることなど、構造的理由がその原因としている。

一方、長期的に見れば、再び成長ムードとなる潜在力はある、とHBAGは予想している。「今年は気象状況が悪く、販売には不利だった。また、花を買う額も抑えられていた。しかし、回復の兆しは見えている。」とB氏。氏によると、卸業者各社は、新しい販売コンセプトを開発中だという。さらに氏は、大手輸出業者はまだ平均以上に成長している、と語った。
(11月25日 ブルーミストライ)


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先週末から、いつもお世話になっていた業界メルマガが会員制になりまして、
アクセス出来なくなりました。
備忘録的に時々ニュースを読んでいた私には大きなショックですが、
それでも今まで無料で読ませてもらっていたのですから、お礼を言わなければいけません。
長い間、お世話になりました。

サイトが会員限定になる前に、気になるニュースをピックアップしてあるので、
私のペースで申し訳ありませんが、しばらくはこれで続けていきます。
それにしても、このペースじゃぁぜんぜんニュースになりませんねぇ。。

これからは、ニュースの元になっていたサイトなどをもう少しマメにチェックしようと思いますが、
そちらのサイトも、大体会員だけに情報を提供しているんですよね。
情報の管理がどんどんと厳しくなっているのを実感します。
どんな情報も無料ではない、という事なのでしょう。


暗い、暗ーいオランダ。
雨の降らない日、雲の無い日は、いったいいつ来るのだか。。
今年の秋は、本当に天気が悪いです。キャッシュ&キャリーでも花が少ない印象です。



2013年11月26日火曜日

IFTF 2013


FHトレードフェアと同時期に、ファイヴハウゼン(フロリアード2002跡地)にある展示会場で、IFTFが開催されました。
今年で4回目。主に種苗会社、外国の生産者などがブースを構えています。
ホルティフェアーが無くなり、機材系の会社がこぞってこの展示会に出展するかと思いきや、
ブースが狭いだの天井が低いだの、なんだか色々問題があって、結局は増設テント部分に出展してた業者の数はわずかでした。ほとんどの業者は、2年に1度開催の他の展示会に行くようです。
そういうわけで、やはり外国の切り花関連の業者が中心の展示会に変わりはありません。

ホルティフェアーの会場では常に大きな面積を占めていた花の品評会も、無くなりました。
会場が狭いから、というよりも、今まで切り花や鉢物の品評を担当していた団体が昨年末をもって解散したのが大きな理由です。
品評会を続けるかどうかの議論はあったようですが、資金捻出も出来ず、そのままお流れになった模様。。。


ところで、花の品評会は今の時代でも必要なのか。。。
そんな疑問が浮かんできたのは、昨年のフロリアードでした。
昨年のフロリアードでは、品評会に切り花や鉢物を出展した業者は、数えるほどでした。
場所がオランダ東部で、多くの生産者には遠かったから、と言うのも理由のひとつでしょうが、
オランダの生産者の花を目にすることは、ほとんどありませんでした。
自分の商品に自己評価をつけて市場に出荷し、それなりの品質を保って売り上げを立てている
オランダの生産者にとっては、品評会で高得点を取ったからと言って、それが更なる売り上げに結びつくわけでは無い、と知っているのでしょう。また、実際に花を買ってくれるバイヤーが見に来なければ、全く意味がありません。
聞いた話によると、花卉専門誌にフロリアードでの品評会結果は全て掲載されなかったらしいし、
これでは、品評会に出し良い点を取ったところで自己満足にしかならないだろうと思いました。
反面、これから新しい品種を育ててアピールしていきたい生産者にとっては、品評会が軽視されていくことは、打撃だろうと思います。公共の場で自分の商品を評価してもらえる機会が無くなれば、個人の地道な営業しか道は残されていないのですから。

市場の競りがデジタル化し、現物を見ずに花を売買する時代です。
金の切れ目が縁の切れ目じゃないけれど、資金援助が無くなった途端、品評会もぷっつりと終わり。品評会は時代の流れで終わる程度のものだったのかなぁ、と考えずにはいられない、今年の展示会でした。



 品評会が無くなっても、ブースは自社の花で一杯。
バラの種苗会社のブース。
 アフリカの花。
人を中心に置いたパネル展示は減りました。
生産拠点をもう一国増やすそうです。

気がつけば、あんまり写真を撮ってこなかった。。。

2013年11月21日木曜日

FHトレードフェア2013 その3

FHトレードフェアは、開催が11月の第1週に戻ってから今年で4回目になります。
Raiで行われていたホルティフェアーは中止となり、種苗会社や資材業者が少し
こちらへ移って来て、今年は約5,000㎡を増床しました。
ちなみにホルティフェアーは、HortiTechから最終的にGreenTechと名前を変え、
2年おきに開催予定。また開催時期は6月中旬になるようです(Bloemisterij 22 Oct)。


今年の秋は長雨で、青空を見るのはまれです。
11月開催だといつも暗いけど、今年は特にどんより。。。







生産者グループは相変わらず元気です。
ますます勢いが付いてきたデコラム。
今年から、切り花の生産者もグループに
仲間入りしました。
生産者グループというよりも、大企業の様相を帯びてきた印象。







外国からは、昨年に続きドイツが鉢物で参加。 でも、国としてまとまってここに出展しているのは、ドイツだけ。




 いつも大きなブースで存在感をアピールしていた、レッドナオミ。
確か昨年はIFTFにあったような。
今年は、市場内のブースにこじんまり。
少し窮屈に見えました。

 アザレアの印象を大きく変えた、ベルギーの生産者さん。毎年おしゃれな展示をしています。
ちなみに、この生産者さんの服の着こなしはモデル並み。
ここの展示を見ると、アザレアはおばあちゃんの家の花鉢という固定観念が崩れます。
 髪飾りになる、一輪のバンダの花。
こんな風に挿して使うそうです。 

食用にも生産しています。チョコレートがけのバンダ。
チョコレートと共に、ほぼ一口で食べるのがコツ。

ミルクチョコとホワイト、どちらが美味しいのかしら・・と言いつつ、
両方食べました。
花びらだけ食べるとちょっと苦いそうですが、味は特に無かったです。


時期的に花芽付きの球根も沢山展示されています。
クリスマス風の飾りつけをして、早めに室内に置ける演出。


 手入れの要らないグリーン。イージーケア、と言う商品名。


ディスプレーで目を引いたもの。
アイビーがおしゃれに見える。



大きな氷の塊の中に咲く、満開の花。
涼しげで幻想的。

会期中持つの?と聞いたら、毎日新しいのを持ち込んでいるとか。

2013年11月18日月曜日

FHトレードフェア2013 その2


FHトレードフェア。市場の売り方提案。

従来のスーパーマーケットやガーデンセンターの花売り場だけでなく、
異業種と思われるような空間にも花を売るチャンスはある、という提案を行っていたのが
新鮮でした。
今年のVillageはスペースを広く取り、今までとは違う切り口の提案が広場の真ん中を
占めていました。


香水とは切っても切れない関係にある、花。
香りの良いバラを置いたら、香水が出来る過程を感じられそう。
ヨーロッパでは普通に見かける、香水や高級化粧品を扱う店で。

ブティックにも花を。
アジサイを着色して、オブジェのように。

ショッピング学、とでも訳すのでしょうか、
それによると、収入の80%は男性が、支出の80%は女性が
担っているのだそうです。
よく分かる、その感覚(笑)。

売り場提案をはっきりと国外に向けた提案。
こちらはイギリス向け。
イギリスは、季節にあった花を好むので、深まる秋を思わせる花の種類や色あわせが中心。

お店の隅には、子供が遊べるコーナー。
花屋さんにも、子供の居場所があります。

ブーケのタグのコードを携帯で読み込むと、
この花がこの先どのように咲いて散っていくのか、
一連の画像が見られます。

 ガーデンセンターの売り場提案。
カートにタブレットを置き、会員No.を打ち込むと、今までの買い物リストが出てきたり、売り場案内の歩き方地図がでてきたり、おすすめ商品が案内されたり。
自分の行動パターンを先読みされているようで
ちょっと落ち着かない気もするけれど。。。
 こちらもガーデンセンター売り場の提案。
食べられる植物(ハーブ)の販売には、
試食コーナーを併設。


画像をアップしたら横向きに。。。どうやったら縦になるの??


 スカンジナビア向けの店舗提案。
寒い国の人たちは、季節先取りを好むので、秋が深まる頃には、一足先に明るい色、春の花をふんだんに売り場に並べます。
また、自分の好みで選べるように、花束の組みあわせが出来るようにしています。
包装紙の種類にも、国民性を出して。



ある鉢物の生産者さん。ブースの上に、「100%自分の力で」とあります。
ここの鉢物はクロックの競りにはかけず、相対など自らの営業力で商品を
売りさばくのだそうです。
どこからでも見える大きなボードは、決意の表れ。
売り先見つからなかったから、競りに出そうか・・なんてしないんですね、これからは。
市場の会員なのにクロックを使わないと公言するのは、凄いです。


2013年11月11日月曜日

FHトレードフェア2013 その1


金曜日の午後の早い段階での市場発表によると、F市場のトレードフェアの入場者は約1万4千人で、昨年よりも4千人多いことが分かった。

フェアの規模は昨年より大きく、参加業者は100社増、展示会面積も5千平方メートル拡張している。

(11月8日 Bloemisterij)

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11月6日から8日の3日間、F市場のアールスメアで行われたトレードフェア。
この展示会と同時期に、フロリアード2002会場跡地に建つ展示会場で、IFTFも行われました。
IFTFは今年で4回目です。

今年からRaiの展示場で行われていたホルティフェアが中止となったため、
機材や培地などの業者は、主にIFTFへ。でも、数えるほどしか出展していませんでした。

また、今年はホルティウィークという名称は使われませんでした。


さて、FHトレードフェア。
規模も大きくなったためか、屋上駐車場へ上る車の行列が凄いこと。
国道の信号で、車が渋滞していたのを見たのは初めてかもしれません。
昨年より100社増だから、800業者ほどの出展です。
資材系が若干増えていた印象でした。




花をマッスに使って絵画のようにしているところが多かった、今年の展示会。

アールスメアのマークは、秋色アジサイとバラで。

ジャストクリサンテマム。
菊のプロモーションは、3年は続く予定。
切り花の品目の中では一番大きく展開していました。
このほかには、トルコキキョウだけだった、、かも。

ダッチフラワーグループ。ブースを囲んでいたので、なんとなく中に入りにくい。親しみを感じないのは私だけ?
園芸関連企業ランキングで、5億ユーロ以上の売り上げ部門のトップを飾りました。年間売り上げは10億ユーロ。フローラホーランドよりは額は少ないけれど、内容が評価されたのか、1位。



2013年11月10日日曜日

ブログの引越し

しばらく放置していたブログを読み返してみました。

2006年の11月から始めてたんですね。
最近は更新頻度はがっくり落ちましたが、気がつけば7年もやっていたことになります。

久しぶりに昔のブログを読み返してみたら、
案外良いポイントを抑えてたな、って、今の自分にもためになりました(笑)。
当初の願い通り、備忘録になってました。

フリーになって時間も経ちましたし、気分を変えてブログも新しくしてみようと思います。
さて、どれくらい更新できるかな?

呆れずにお付き合いくださいませ。